掛け合い収録は、できればスタジオを揃えたほうがいい理由

掛け合い収録は、できればスタジオを揃えたほうがいい理由

掛け合い(対談形式・かけあい形式)の収録を編集していて、「セリフはちゃんと合っているのに、なんだかチグハグに聞こえる」と感じたことはありませんか。

声のトーンも悪くない。
読み方のテンポも問題ない。
それなのに、二人の会話としてどうも噛み合わない。

私はこれまでいくつもの掛け合い音源を整音してきましたが、その原因の多くは「声そのもの」ではなく、収録した部屋の違いにあると思っています。

良いマイクと良い声さえあれば掛け合いは成立する、と思われがちです

「マイクさえ良ければ、あとは編集でなんとかなる」
そう考える方は少なくありません。

たしかにマイクの性能や声の相性は大事な要素です。
ただ、それだけでは説明がつかない違和感が、掛け合い収録にはよく出てきます。

その正体は、部屋の鳴りや残響の違いであることがほとんどだと思います。

部屋鳴りや残響の違いが一体感を壊してしまいます

別々のスタジオ、あるいは別々の部屋で収録した音声を並べると、片方だけ声が近く聞こえたり、もう片方だけ妙に遠く感じたりすることがあります。

「Aさんの声はすごく近くて生々しいのに、Bさんの声だけ薄く広がって聞こえる」
こういう状態になると、リスナーは無意識に「同じ場所で話していない」と感じ取ってしまいます。

部屋によって差が出やすいポイントは、たとえばこのあたりです。

・天井の高さ
・壁や床の素材(反射しやすいか、吸音されるか)
・部屋の広さそのもの
・マイクや機材の配置

同じ台本を読んでいても、部屋の空気感が違えば、掛け合いとしての一体感は簡単に崩れてしまいます。

実はエンジニアさんごとの「こだわり」もポイント

部屋の違いだけでなく、収録エンジニアの考え方の違いも大きく影響していると思います。

「マイクはこの距離で立てる」
「EQはこう補正する」
「口の正面より少し外すのが自分のやり方」

こうした基準は、エンジニアによって明確に違います。
もちろん、そのどれもが間違っているわけではありません。
それぞれの経験に基づいた「正解」だと思います。

ただ、基準や重視するポイントが人によって違う以上、スタジオやエンジニアが変わると、掛け合い音源全体のトーンは揃いにくくなります。

片方は近接感を重視したセッティング、もう片方は自然な空気感を重視したセッティング。
どちらも良い音ですが、並べると別々の作品のように聞こえてしまうことがあります。

とはいえ、いつも同じスタジオで収録できるとは限りません

ここまで読んで、「じゃあ全部同じスタジオで揃えればいいのか」と思われるかもしれません。

正直なところ、それがいちばんシンプルな解決策だと思います。
ただ、現実にはスケジュールの都合や、出演者が遠方にいる場合など、毎回同じ場所で収録するのが難しいケースも多いです。

無理にスタジオを統一しようとして、収録自体のクオリティやスケジュールに無理が出てしまっては本末転倒です。
そこは現実的な落としどころを探る必要があると思います。

だからこそ「ボイスの下処理」が大切になる

それでも、可能な範囲でスタジオやマイクセッティングを揃えることには大きな意味があります。
掛け合いは「声の内容」だけでなく、「同じ空間にいる感覚」も含めて成立するものだからです。

もしどうしても収録環境を揃えられない場合でも、あとから整音である程度トーンを近づけることは可能です。
ご自身で編集される方も、この「トーンを近づける」だけでも是非一度Hz Productionにご相談いただければと思います(「ボイス下ごしらえプラン」で対応可能です)

環境を揃えるのが難しい収録や、収録後のトーン調整について気になることがあれば、お気軽にご相談ください。

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