フォーリー制作におけるコンタクトマイクの活用法

フォーリー制作におけるコンタクトマイクの活用法

今回の水音収録環境の見直しの中で、新しく導入したマイクです。

コンタクトマイクは、物体そのものに触れさせて、表面や内部を伝わる振動を拾うマイクです。
ギターなど楽器用マイクとして使われますが、たまにフォーリー制作の現場でも見かけます。
空気に出る前の質感を捉えることができます。

コンタクトマイクは“空気の音”ではなく“物の震え”を録る

普通のマイクは、空気の振動を拾います。
なので、部屋鳴り、反射音、周囲のノイズ、マイクとの距離感が音に入ります。

それに対してコンタクトマイクは、物体に直接貼ったり、押し当てたりして使います。

机に貼れば、机の上を指でこすった振動がかなり近く録れます。
金属板に貼れば、手で触れた時の細かい振動や、叩いた後の余韻が強く出ます。
木材に貼れば、空気中で聴くよりも低く、近く、少し生々しいきしみが録れることがあります。

つまりコンタクトマイクは、普通のマイクの代わりではありません。

普通のマイクでは拾いにくい「物体の内側の動き」を足すためのマイクです。

フォーリーで使うメリット

フォーリー制作でコンタクトマイクを使うと、少し面白い音が録れます。
この音単体では使いづらいですが、他マイクと収録した音と混ぜることで
音の中に物体の質感を感じられる要素が産まれ、より説得力が増す感じがします。

例えばドアの開閉音を収録する際にドアに張り付けておいて
その音を後から混ぜると、音に芯が出たりします。
但し、このマイクはあくまでサブウエポンです。
使う・使わないの選択が重要だと思っています。

実際の使い方

水音収録では写真のような板に貼り
収録の際にその板を巻き込んで音を鳴らして
きしみのような、固い質感を付与するイメージでの運用を目指しています。

音ではなく「振動感」のような低音を足すイメージです。
シチュエーションに応じて、木の板以外などを試してみても面白いかもしれません。

編集での扱い方

コンタクトマイクの音は、単体で聴くと不自然に感じることがあります。
しかし、ミックスの中で小さく混ぜると、普通のマイクだけでは足りない手触りが出ます。

おすすめは、まず通常マイクの音で自然な距離感を作ることです。
その後、コンタクトマイクの音を少しずつ足します。

音が近くなった、重くなった、触感が出たと感じる位置で止めます。
足しすぎると、音が狭くなります。

特に耳元系の作品では、近さを出そうとして詰め込みすぎると、逆に聴き疲れします。

コンタクトマイクは、隠し味として使う方が効果的です。

まとめ

コンタクトマイクは、フォーリー制作においてかなり面白い選択肢です。

普通のマイクでは、空気中に出た音を録ります。

コンタクトマイクでは、物体そのものの振動を録ります。

この違いを理解すると、音作りの幅が広がります。

特に、手触り、密着感、内部の動き、素材の震えを足したい時に有効です。

ただし、万能ではありません。

自然な空気感は通常マイクで録る。

物体の振動はコンタクトマイクで補う。

この二つを重ねることで、フォーリーの音はより立体的になります。

フォーリー制作では、見えている動きだけでなく、触れた時に伝わる感覚まで音にする必要があります。

コンタクトマイクは、その“触れている感覚”を録るための、かなり実用的な道具です。

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